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執筆者の写真檜垣 祐一

中小企業だからこそ必要な、組織としての人材育成、人材活用のノウハウを確立する方法

更新日:2022年9月14日

中小企業にとって人材育成と人材活用とは永遠のテーマですね。

まぁ、人材育成や人材活用が大切なのは

なにも中小企業だけでなく、

大手企業も同じです。

しかし、人材採用弱者になりやすい中小企業が

大手企業と同じような人材育成、人材活用の手法をとっていても

うまくいく可能性は低いですね。


もっと言うと、

その成功確率が低い手法を取り続けているがゆえに

人材育成や人材活用がうまくいかず、

結局、人材不足となる悪循環に陥るのです。


今回は、人材育成がうまくいく確立を高めに

中小企業が組織として、取り組むべきことについて説明していきます。




① 中小企業にとって人材育成、人材活用のために必要な組織としての経験とは

② 経験値を積み上げるための目標値の設定の仕方

③ 組織としての経験値を積み上げることによって得られるものと人材育成への影響



① 中小企業にとって人材育成、人材活用のために必要な組織としての経験とは

ひとえに経験といっても色々とあります。

一般的に言うと

経験値=成功体験

といった認識が多いかもしれません。

(異論は認めます)

少なくとも、

成功体験=経験

という風に思いたくなるのが人情ってものですよね。

少なくとも、

組織としても、個人としても 同じ経験を積むなら

成功の体験を積みたいと思うのは当然ですよね。


しかし、

組織にとっても、個人にとっても 再現性が高く、継承していくことができる

ノウハウを確立していくために必要なのは

本当に成功体験なのでしょうか。


もっと厳密に言うと、

ノウハウというのはどのようにして確立していくのでしょうか?

それは

“失敗体験”

によって確立するものではないでしょうか。


そりゃ、確かに

なんの失敗もせずに

一発一中で成功にたどり着ければ

言うことはないですよね。


しかし、何の失敗もなく得られた成功体験によって確立したノウハウは

再現性が高いのでしょうか?


一発一中で成功を得られるというのは

それを行った人間はよほどの天才か

若しくは、極めて運がイイ

かのどちらかでしょう。


どちらにも言えることは、

極めて、再現性が低いということです。


中小企業に限らず、

組織というのは程度の差こそあれ

基本的には凡人の集まりなのです。


1人の天才が100点を取るよりも

100人の凡人に全員75点取らせることが必要になってきます。


凡人というのは、基本的に不器用な存在です。

成功に向けた勘所も決して良くありません。

なぜうまくいかないかを自分人で認識、分析することも得意ではありません。


そんな人間たちが75点



人材育成や人材活用がうまくいかない組織や

うだつが上がらない人材というのは

基本的に成功者の華やかな面に目が行きがちです。

しかし、

天才というのは干渉物としては良いですが

模倣の対象ではないのです。


人材を育成するためには

「なぜ、うまくいかなかったのか」

「どうやったら、失敗するのか」

などの経験値が必要なのです。

そして、それらの情報をストックすることで

成功の勘所を高めていくのが

再現性を高めるためのノウハウの確立には必要なのです。




② 組織としての経験値を積み上げるための目標値の設定の仕方

中小企業の人材育成、人材活用において、

失敗体験が大切なことが分かっても

それを蓄積していくためのプロセスというのは

簡単なことではありません。

そりゃそうですよね。

誰だって失敗したくはないですよね。

しかし、この

「失敗したくない」

というのが曲者なのです。

失敗したくないと思うから

委縮してしまったり

委縮してしまった結果、行動が小さくなってしまったり。

さらには、行動するのが怖くなり、

結果、行動量が少なくなってしまい、

成功体験はおろか、

失敗体験すら積み重ねることができないという

悪循環に陥る可能性があります。


それらの状況への簡単な対応策があります。

それは、目標設定の仕方を変えればいいのです。

【失敗経験の数】を目標にすればいいのです。

・何件訪問した

・何件に話をした

・何件成約した

といったプラスの方向への目標設定は

やめましょう。

これでは、うまくいかなかったことは

“悪いこと”になってしまうので

失敗を恐れて

行動量が増えなくなってしまいます。


【失敗経験の数】を目標にすれば

断られたことはむしろ良いこと

うまくいかなかったことは良いこと

という風になるので、

行動すること自体のハードルを下げることができます。


この【失敗経験の数】を目標にすることは

若手に対して、 特にまだまだ経験も足りず、

行動量が絶対的に不足している若手に対しては

特に有効です。

若手で自信なさげな子などは

そもそも行動することがおっくうになり、

行動量が少なくなりがちなのです。


反面、

部下にわざわざ失敗させるのが怖い、困るという意見もあるのもわかります。

しかし、若手の失敗というのは実は

先輩からすれば、過去に経験したことがあるものである事が大半です。

どこまで突っ走ってしまうと

大問題になるかは先輩たちにはわかるものです。

大失敗や大ごとにならないようにするために

見守り、いざという時には手を差し伸べることを忘れないで下さいね。

そういういざという時に手を差し伸べる空気になっている

“社風”を作り出すのも経営者とマネージャーの大切な役割ですよね。




③ 組織としての経験値を積み上げることによって得られるものと人材育成への影響

【失敗経験の数】を目標にすることで、

行動量を増やすことができます。

行動量が増えれば、自然と失敗の経験値が蓄積されます。

そうすることで、

・どうやった場合はうまくいかないか

・どのパターンの方が感触がよいか

・営業の場合、どのようなアプローチをしたら嫌な顔をするか

などうまくいかないパターンの事例が集積されます。

それは、裏を返すと成功の可能性が上がっているとも言えます。


凡人が成功体験を得るためには

行動量が絶対的に必要なのです。

行動量を増やすというのは

それ自体が成功への確立を上げる行為でもあるのです。


この、失敗の事例を組織として蓄積していると

どのように良いのか?

それは、

若手が壁に当たった際、伸び悩んだ際の

アドバイスの“切り口”と“言葉”を獲得することになるのです。


若手が壁にぶつかったときに

「頑張れ」

「気合が足りない」

「自分で考えろ」

「やる気が足りない」


といった言葉では、

若手は育ちません。

それで育つ人材もいるかもしれませんが

数は少ないでしょう(そういう人材の割合は小さいでしょう)。


組織として大切なのは

1人のスター選手を生み出すことではなく、

100人の75点を確実に計算できる人材を育てることなのです。


そうでなければ、

自社のサービスを大切な顧客に安定供給することができません。

人材が何より大切な生産設備である

中小企業にとってはなおさらです。


安定的に人材育成を進めていくために

そのための組織の仕組みを構築するために

特に若手に対して

【失敗の数】を目標にしてみてはいかがでしょうか。

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