従業員満足度研修(ES研修)にはいろいろな切り口があります。
以前の記事で
(ⅰ)人間関係因子/自己実現因子/経済性因子
(ⅱ)動機付け要因/衛生要因
などの切口があるというお話をしました。
今回は (ⅱ)動機付け要因
の中の
『他者貢献実感』について、説明します。
『動機付け要因』がどういったものかは
以前の記事
を参考にしてみてください。
① 他社貢献実感とは
② 他社貢献実感の種類
③ 他社貢献実感の不味い取り扱い方
④ まとめ
① 他社貢献実感とは
日々の業務で同僚や取引先など、自分の周りにいる人たちに
貢献している実感が持てているかという切り口です。
人というのは同僚や取引先などの自分の周りにいる人たちに
貢献できているという実感が持てている状態にあると、
嬉しいものです。
考えてみてください。
自分がやった仕事で、
相手が喜んでくれた時の、
相手の笑顔と感謝の言葉を。
自分の仕事の結果で、相手の問題が解決して
晴れ晴れとした表情をしていたり、
相手の仕事に変化が生まれたとき。
嬉しくなりませんか?
胸が熱くなりませんか?
気持ちが高揚してきて、テンション上がりますよね。
何とも言えない、幸せな気分になりますよね。
とかく
従業員満足度(ES)などの、
専門用語を使って考えると
難しく感じるかもしれませんが、
従業員満足度(ES)やモチベーションというのは
早い話が
“テンションが上がる”
“気持ちが高揚する”
ということなのです。
従業員が “テンション上がる” “気持ちが高揚する”
場面を考えて、
それを得られるようにしてあげればよいのです。
② 他社貢献実感の種類
他社貢献実感とは社内向けだけのことではないのです。
部署によって、貢献実感する対象は異なってよいのです。
直接お客様に接する部門に属する人材であれば、
お客様への貢献を実感することで満足が高まることもよいのです。
逆に、お客様と接する機会が少なく、
社内の人たちとの接点が多くなる部署の人材であれば
社内の人たちへの貢献を実感することでよいのです。
何度も言いますが、
従業員満足度研修(ES研修)だからと言って、
難しい理論やノウハウを駆使しようと考えると
委縮してしまって、
手が動かなくなります。
似非コンサルに高い費用を払うよりも
自分たちで工夫するほうが効果的だということもあります。
(もちろん、外部の研修会社などを活用したほうが効率的なこともありますよ)
・社内の人向けに仕事をする部署
・社外の人々と仕事をする部署
それぞれで、日々向き合う方や向き合い方も異なります。
もちろん、
一見社外の人と接点が少ないと思えるような
事務員さんも社外の人からの評価によって
自己肯定感が上がったり、
モチベーションが上がることは有ります。
要は、
部署ごと、他人事で
“他者への貢献”を感じる場面や感じ方は異なるということです。
1人1人に自分がどういったときに、
どういった方向性で
他者への貢献を実感できるか。
を明確にさせるとよいでしょう。
実は、上司やマネージャー達さえ気が付いていないところに
情熱を注いでいたり
特性や得意分野があるなんてこともあります。
意外と、そういったところは
部署にとっても新しい発見が潜んでいることもあります。
そして、これらの
従業員の頑張り(他者への貢献)を
部署として、会社として
拾い上げていく必要があります。
これができていないと、
従業員の頑張りを会社として、
業務効率や業績の向上に活かせないだけでなく
従業員満足度(ES)やモチベーションを
落とすことにもつながります。
③ 他社貢献実感の不味い取り扱い方
「貢献」という言葉から会社への貢献だけと捉えて
それだけに着目してしまう社風の会社も少なくありません。
営業成績などがなかなか上がらないが、
お客様満足を高めようと力を注いでいる従業員の取り組みに
あまり着目せず、
其の人材の取り組みは「会社への貢献が低い」と断じて
その従業員へのねぎらいの言葉をかけない。
そのために、その従業員の「他社貢献実感」を下げてしまい、
その人材の満足度(ES)とモチベーションを下げてしまいます。
結果、さらにその人材が成果を上げることから遠ざけてしまうという場面があります。
営業の部署や営業会社だとその傾向が強いです。
また、メーカーなどのサービスのセクションで
数字には表れないような工夫や気遣いに力を入れているケースもあります。
・顧客への丁寧な説明
・愛想の良さ
・一つ先の提案(故障を予防するための提案)
など、現場を見ていないと
上司やマネージャーには見えないことがあります。
しかし、上記のようなことというのは
顧客満足と会社の評判に直結します。
上司やマネージャーに見えないものはないものと同じ
というのは勿体無いです。
こういった、マニュアル外であったり、
上司やマネージャーからは見えない現場での工夫と努力こそ
組織として、抽出し
組織的に再現できるようにするべきものなのです。
【CSスタンダード】というのは
難しいマニュアルやノウハウで格好良くやるものではありません。
頭でっかちにやるのではなく
日々の実務から生まれてくる、
現場現場の経験を
社内で有機的に水平展開して
再現することなのです。
CSスタンダードに関しては
また、改めて紙面を割いて詳しく説明しますね。
従業員の他社貢献への取り組みを
うまく拾い上げられないことの悪影響については
非常に重要なので
別途紙面を割いて、詳しく説明をします。
④ まとめ
“他社貢献実感”というのは
実は従業員満足(ES)やモチベーションを
直接的に上昇させる非常に有効な切り口なのです。
一方、部署や仕事の内容、関わる人、
従業員の適性や興味関心の方向性によって
他社貢献実感を得る項目は様々です。
会社側としては一人一人の他社貢献実感を得るポイントを
見つけ、会社の利益とするために
従業員と丁寧に向き合うことが必要になります
一見、手間のかかる作業のように思えるかもしれませんが
これの先にCSスタンダードという形で
会社に貴重なノウハウをもたらしてくれる可能性を秘めています。
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